ぼくの好きな先生(Můj oblíbený učitel)
中編小説・2027年[予定]
プラハの書店で英字新聞を立ち読みしていたぼくに声をかけてきたのは、あの大作曲家だった──。先生とぼくと愛しい人たちの三年間の日々。
ウルシュラの日(Dies Urszulae)
長編小説・2026年
1241年、タルタリの侵攻を逃れ、幼いウルシュラは両親とともに祖国ポロニアを離れる。しかし、たどり着いたオクシタニアも安住の地ではなかった。《名の日》の伝説に抗う歩みを一人の修道女が綴る、小さな楔の物語。
カフェ・コーカサス(Café Caucasus)
中編小説・2003年
二度目の職場で気怠い日々を送る営業マン・椎名悟志は、人気のない路地で異国の香り漂うカフェに迷い込む。ルカーシカや常連客らとの出会い、そして旧友三田村や同僚柚木はなの存在が、錆びついた彼の歯車を回し始める。
フローニー!(Vrony!)
中編小説・2002年
「二人で舞台女優になろう」親友との約束が揺らぐなか、劇団《にらいかない》と出会い夢へと踏み出した育子は、美鈴の心変わりの訳を知って立ち止まる。そんな中届いた、差出人のない一冊の台本──「フローニー」?
夜(Yoru)
ショートショート・2002年
──外は磁気嵐が吹き荒れてる。こんな夜を、「DJボーアのハイパー・コクピット」も聞かず「総天然色フロンティア・銀河の果てから」も見ずにどうやって過ごせっていうんだ。
塔(The Tower)
ショートショート・2002年
この物騒なご時世に、ずいぶん思い切ったことを決断したもんだ。意を決して母校の校門をくぐりながら、僕はそんなことを思った。
サイレンの呼び声(The Siren's Call)
ショートショート・2002年
遠い思い出はたいていの者にとって、両手を広げ目を細めて迎えてくれる母親のようなものだ。あのころは、昔は良かった、と酔いにまかせて追憶に溺れる中年は、マザコンと何ら変わるところがない。
校門のパトカー
ショートショート・2002年
──事実は往々にして憶測の裏をかく。JR線のT駅から下り方向に十分も歩くと、交差するS線のガードをくぐってひどく起伏の激しい五叉路に出る。
ボード・セーリング
ショートショート・2002年
このあいだの日曜日、買い物帰りの公道でえらいものを見た。車道を、ベニヤ板に腹這いになった男が滑るように走り去っていったのだ。時速四十キロメートルは出ていたと思う。
花粉症さんいらっしゃい
ショートショート・2002年
「おねえちゃん、こんなのがでてきた」朝、学校の支度をしていたわたしに、真っ赤な鼻をグズグズさせながら弟のタカが差し出したのは、銀色の細長い紙だった。光に透かすと、鉛筆で書いた字が浮かんだ。
資材管理課の掟
ショートショート・2002年
七不思議とか、何々の怪などという不思議な話の一つや二つは、人の集まる場所ならたいてい聞かれるもので、私が勤めていた都内の小さな部品メーカー会社でもご多分に漏れずその手の話が囁かれることがありました。